新型コロナウィルス(COVID-19)にご注意を! 糖尿病、慢性肺疾患、心血管疾患などの基礎疾患を持つ人に高リスク

<注意>
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3月31日に、アメリカCDCより、「糖尿病、慢性肺疾患、心血管疾患などの基礎疾患を持つ人は、これらの疾患がない人よりも重度のCOVID-19関連疾患のリスクが高い」事が報告されました。

これによると、ICUに入院している患者の78%はなんらかの疾患を持っていて、うち32%は糖尿病であることがわかっています。 ただし、数々の疾患のうち、糖尿病が特に重症化しやすいという訳ではなく、糖尿病の人数が多い事がそう見える要因の一つです。(アメリカ人の8.5%(2017年)は糖尿病です。)

ここで表を横に見ると、疾患のない患者は、4470名中99名(2.2%)しかICUに入院していませんが、糖尿病を持つ患者784名中148名(18.9%)がICUに入院している事がわかります。慢性腎疾患では、213名中56名(26.3%)心血管疾患では647名中132名(20.4%)にも上ります。

 このデータをそのまま日本人に当てはめるわけにはいきません。これらのデータは、解析した人数が多くはないうえに、アメリカが国民皆保険でないことや、昨今のニュースで懸念されている貧困層の重症化の割合には言及していないため、一面的ではありますが、ただ、基礎疾患を持つ方に高いリスクがあることがわかります。

 以下は、私の推察ですが、糖尿病で通院している人は、わが国で行われたJ-DOIT-3研究で判明しているように、従来からの目標値を目指す標準的治療でも、諸外国と比べて血糖コントロールが良好であり、腎症などの合併、心血管疾患合併の発生頻度が低いことが知られています。これは日本が国民皆保険制度であること、また、日本の医師が丁寧に診療していることなどが要因として挙げられています。

 「腎症が進展している方」や「心血管合併症のある方」はアメリカと同様の水準にある可能性を考えますが、合併症が進展していないコントロール良好な方々は、上記「疾患無し」のレベルとまでいかなくとも、「糖尿病」ありの方々と同じ水準という事はないように思います。過剰に懸念しすぎる必要はないと考えますが、慎重に行動することはもちろん大切です。過剰に懸念するあまり、長期にわたって引きこもり、運動不足、ストレスによる過食などで糖尿病自体が悪化することにも注意が必要と思われます。ただし、透析治療を受けている方々、心不全を合併した(心機能の低下した)方々、喫煙による慢性閉塞性肺疾患などを合併した方々、高齢の方々においては、本人はもとよりその周りの方々も(家族や医療従事者ら)うつらないよう、うつさないように十分な対応を心がけることが必要と考えます。

しかも、ここ日本ではまだ新型コロナウィルス(COVID-19)の患者数の減少には至っていません。

3密(密閉空間・密集場所・密接場面)をさけて「うつらない・うつさない」行動を心がけましょう。手洗い・咳エチケットも肝要です。

  

  

参照:https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6913e2.htm

Preliminary Estimates of the Prevalence of Selected Underlying Health Conditions Among Patients with Coronavirus Disease 2019 — United States, February 12–March 28, 2020